県美展出身作家4人展の作家紹介

手嶋大輔(1977年、福岡県生まれ。福岡県在住)

プロフィール

第60回山口県美術展覧会大賞受賞作家。
昨年、突如、県美展にデビューし、初登場ながらも大賞を受賞。一見、時流に迎合したプラスティック製おタク系フィギュアと思わせながら実は、伝統的な技術に裏打ちされた細やかな彫像表現である不思議さに、多くの観客が惹きつけられ、その魅力を堪能した。
4人展では、昨年度の大賞受賞作品のほか、今年度特別展示(山口県立美術館展示室)のためのスケッチ等を展示。4人展のみならず、美術館の大スペースを使った特別展示も乞うご期待。

山根秀信(1959年、山口市生まれ。山口市在住)

プロフィール

第50回山口県美術展覧会大賞受賞作家。
1999年、「現代日本絵画の展望」展(東京ステーションギャラリー)に出品。その翌年には第1回資生堂Art Documents Support Programを受賞するなど、近年、活躍の場は全国へと広がった。今回の〈ROUTE 102─豆腐を食べて、小径をつくろう─〉のディレクターでもある。生活の中で見過ごされがちな光景を丹念にすくい上げていく独特の視点が、捨てられるだけの豆腐のパックと人気の少ない路地を結びつける発想へとつながった。4人展では、〈ROUTE 102〉の源となった2000年の風景画や、関連デッサン等を展示。

山科君代(1932年、山口市生まれ。山口市在住)

プロフィール

第60回山口県美術展覧会優秀賞受賞作家。
大画面いっぱいに溢れんばかりに果物や野菜を描いた作品で、近年の県美展で注目されていたひとり。エネルギーに満ち溢れる画面や、みずみずしいその色彩感覚から、若い女性画家であると思われていたが、実はその正体は、曾孫さんまでおられるおばあちゃま。なるほど、単刀直入に野菜に切り込む大胆さはその人生経験ならではなのか。4人展では、現在の作風に至るきっかけとなったかぼちゃの作品や、昨年の優秀賞受賞作品等、野菜、果物尽くしの楽しい展示に。

木原千春(1979年、長門市生まれ。東京都在住)

プロフィール

1995年、高校1年生にして第49回山口県美術展覧会に初めて応募。落選後、高校を中退し、画家を目指し始める。第50回、51回と連続して出品するも残念ながら入選ならず。1997年より、活動拠点を東京に移し、画廊での個展を軸に作品を発表。近年、「VOCA 2006」展への出品や、シブヤ西武美術画廊における大規模な個展開催など、全国的に注目を浴びる若手作家の1人として活躍。画面から放出されるパワーはあいかわらず強烈だが、山口在住時代の荒削りな描法から、時にユーモラスで、伸びやかな語り口に変身。4人展では、動物を描いた新作を中心に展示。

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