展覧会概要

東京タワーを背景に広がる名刹、港区芝公園の増上寺。江戸時代には徳川将軍家の菩提寺となり、現在も浄土宗大本山として日本有数の寺格を誇るこの大寺院に、日本美術史上類をみない超大作が秘蔵されてきたのをご存じでしょうか。その名は「五百羅漢図(ごひゃくらかんず)」。今から遡ることおよそ150年前、幕末の江戸に生きた鬼才の絵師、狩野一信(かのうかずのぶ)(1816–63)によって描かれた、壮大なスケールの作品です。

江戸時代以降、仏教における聖人“五百羅漢”に対する信仰は庶民へと広がり、全国規模での流行をみせていました。石像や木像などが次々と作られるなか、一信が構想した五百羅漢図は、身の丈ほどの大きな掛軸全100幅(100枚)に、それぞれ5人ずつの羅漢を登場させ、総勢で500人の羅漢たちが、一大叙事詩を繰り広げていくというもの。このいまだかつてない大作の完成を目指し、30代の終わりから病で没するまでの約10年もの歳月、自らの命を削りながら、ひたすらに描き続けたのです。

その画面は、仏典や僧侶の教えに基づく真摯な学習成果をもとに、伝統的な羅漢図から最新の西洋画にいたる多彩な様式を織り交ぜた、巧みな筆遣いによって形作られています。異様なほどの細密さと極彩色が大画面を埋め尽くしつつ、衝撃的なシーンの数々が展開してゆくさまは、妖気ともいうべきあやしさを放ち、観る者に迫ります。 このたびの展覧会は一信の没後150年を迎え、「五百羅漢図」全100幅を一挙にご紹介する、西日本初の試みとなります。篤い信仰心と、絵師としての情熱によって生み出された、500人の羅漢たちが織りなす世界をご堪能ください。

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yab山口朝日放送開局20周年特別企画
大本山 増上寺秘蔵
五百羅漢 ─幕末の鬼才 狩野一信

2013年10月10日(木)〜12月8日(日)

山口県立美術館
〒753-0089 山口市亀山町3-1 Tel. 083-925-7788

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音声ガイド[貸出1回/500円]

竹中直人 イメージ

ナビゲーター:竹中直人

幕末の鬼才、狩野一信が描いた前代未聞の「五百羅漢ワールド」。
この一大スペクタクルを、俳優として、また映画監督としても活躍されている竹中直人さんの案内で、ご堪能ください。

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五百羅漢ナイト ~夜の美術館を楽しむ

11月1日[金]〜3日[日]は20時まで開館いたします。(入館は19時30分まで)

◎特別鑑賞会「五百羅漢図夜話」 18:00〜
期間中は学芸員の解説とともに、じっくりと展覧会をお楽しみください。