産業革命をいち早く成し遂げ、世界経済の覇者として強大な地位を誇ったヴィクトリア女王治世下(1837–1901年)のイギリス。急速な工業化と都市化が進展する「世界の工場」で、若い芸術家たちによる新しい芸術が生まれます。聖書やギリシャ神話、アーサー王と円卓の騎士たちの物語、中世の伝承からシェイクスピアまで、「ラファエル前派」として知られる彼らが描いたのは、妖しくも美しい物語。愛と詩、そしてロマンスに溢れた優雅な絵画世界は、ヴィクトリア朝のイギリス美術特有の魅力といえます。このたびの展覧会では、英国絵画の傑作を所蔵する美術館として世界的に知られるリバプール国立美術館のコレクションから、ラファエル前派をはじめとする19世紀後半のイギリス絵画をご紹介します。珠玉の作品をとおして、ヴィクトリア朝時代の英国に花開いた絢爛たる夢と幻想の世界を心ゆくまでご堪能ください。
1848年、ジョン・エヴァレット・ミレイ、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハントを中心に結成された芸術家グループ。「自然に忠実に」という理念を掲げて、ルネサンス期の巨匠ラファエロ・サンティ(1483–1520年)以前の芸術に立ち返ることを目指しました。グループとしての活動は数年間の短いものでしたが、産業革命に対する反感と中世への憧憬を色濃く映したラファエル前派の創作活動は、19世紀後半のイギリス美術に決定的な影響を及ぼしました。
2016年3月18日(金)〜5月8日(日) 山口県立美術館
[開館時間]9:00〜17:00(入館は16:30まで) [休館日]月曜日 ※ただし3月21日、4月4日および5月2日は開館
[観覧料] 一般1,300(1,100)円╱シニア・学生1,100(900)円
◎コレクション展セット券〈当日券のみ〉 一般 1,400(1,200)円/学生1,200(1,000)円
- シニアは70歳以上の方、( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。
- 18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料。
- 障害者手帳等をご持参の方とその介護の方1名は無料。
- 前売り券は、ローソンチケット(Lコード 65177)、セブンチケットおよび県内各プレイガイドでお求めください。
[主催]山口県立美術館、毎日新聞社、tysテレビ山口 [後援]ブリティッシュ・カウンシル
[協力]KLMオランダ航空、日本航空 [特別協力]エフエム山口 [特別協賛]エルクホームズ株式会社
本展覧会の担当学芸員による入門講座。
作品にまつわる背景と見どころを交えながら、展覧会の魅力をご紹介します。
3月26日(土) 14:00〜15:00 [会場]山口県立美術館 講座室
[講師]萬屋健司 (山口県立美術館 専門学芸員) [定員]80名(当日先着順) 聴講無料
3月19日、26日、4月2日、9日、16日、23日(いずれも土曜日)
10:00〜(30分程度、申込不要)
4月2日、9日、16日、23日、30日(いずれも土曜日)
11:00〜(30分程度、申込不要)