展示案内
悪夢を吉夢に変えてくれるほとけさま 国宝・夢違観音
この像に祈ると「悪夢が吉夢に変わる」という伝承から[夢違(ゆめちがい)観音]の愛称で知られ、長い間人々の信仰を集めてきました。童子のような可憐さとみずみずしさをあわせもつ、白鳳時代(七世紀後半~八世紀初頭)の仏像のシンボル的な存在です。
【法隆寺】国宝 観音菩薩立像[夢違観音]
飛鳥~奈良時代 法隆寺蔵
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芸術家たちをも魅了したトルソー
「唐招提寺のトルソー」として名高い彫像。頭と両手先が失われていることが、かえってボリューム感のある体や、鋭く刻まれた衣の線を美しく際立たせています。当初はどのような顔立ちをしていたのか、両手の指はいかなる形であったのか、見る者の想像力をかき立ててやみません。
熱烈な夢や憤怒や悲哀に耐え、祈る、その昇華の刹那にのみ仏は在すのであろう。(亀井勝一郎『大和古寺風物誌』より)
【唐招提寺】重要文化財 如来形立像[トルソー](部分)
平安時代 唐招提寺蔵
一度見たら忘れられない存在感
大ぶりな目鼻立ち、どっしりとした体つき、ダイナミックな衣の刻線。小像でありながら、圧倒的な存在感を放っています。東大寺の盧舎那仏(るしゃなぶつ)【大仏】のために試作されたという伝承から「試みの大仏」の通称で親しまれてきました。
【東大寺】国宝 弥勒仏坐像
- 平安時代 東大寺蔵
- 展示期間:4月29日~5月12日
- [2週間限定公開]
【薬師寺】重要文化財 弥勒菩薩坐像
- 平安時代 薬師寺蔵
- 画像提供:奈良国立博物館
天平の秘仏、御開帳
眉を寄せて両眼をカッと見開く怒りの形相。蛇が絡んだ胸飾りや、六本の腕を持つ姿が特徴的なこの像は、大安寺の嘶堂(いななきどう)にまつられる秘仏です。奈良時代後半に制作され、日本最古の馬頭観音とも考えられてきました。
─総て推古天平の最も偉大な作品は、観音に尽きると云ってもいい程である。(和 哲郎『古寺巡礼』より)
【大安寺】[秘仏]重要文化財 伝馬頭観音菩薩立像(部分)
- 奈良時代 大安寺蔵
- 展示期間:4月12日~5月12日[前期展示]
人々を救う慈愛のほほえみ、愛らしさに満ちたプロポーション
十の面をのせた頭が異様に大きく、お腹をグッと前に突き出した姿など、強烈な個性にあふれています。自由自在に姿を変えて、人々を救う観音菩薩。この像は人智を超えた観音の霊力をそのまま形にしたかのような、独特の魅力を放っています。
【薬師寺】重要文化財 十一面観音菩薩立像
奈良時代 薬師寺蔵
【霊山寺】重要文化財 十一面観音菩薩立像(部分)
平安時代 霊山寺蔵
【興福寺伝来】重要文化財 持国天立像〈興福寺伝来〉(部分)
- 平安時代 MIHO MUSEUM蔵
- 撮影:山崎兼慈
【法隆寺】重要文化財 月光菩薩立像(六観音のうち)
- 飛鳥時代 法隆寺蔵
- 画像提供:奈良国立博物館