ランス美術館展〜華麗なるフランス絵画〜絢爛たるバロックから麗しのフジタまで

展示案内

ランス美術館とは

ランス美術館は、ランス市の中心に位置する美術館です。もともと修道院だった建物を改修して1913年に開館しました。シャンパン・メゾン、ポメリー社の経営者アンリ・ヴァニエによって遺贈された19世紀の絵画を中心とするそのコレクションは、中世から現代に至る、絵画から工芸まで網羅した幅の広いものです。2013、2014年にはレオナール・フジタの作品が多数寄贈され、ヨーロッパでもっとも多くのフジタ作品を所蔵する美術館となりました。

皮をむかれたレモンをはじめ、
細部まで丁寧に描きこまれた静物画。
クルミは割れた殻も描かれていますが、
割れている、というところに
当時の人々は人生のはかなさを読み取っていました。

フランス国王ルイ15世の6番目の娘、ソフィー夫人。
ルイ15世が庶民出の
デュ・バリー夫人を愛人とした際には、
姉のアデライード夫人たちとともに反発しました。
姉の部屋を飾るために描かれた、
ソフィー夫人41歳の肖像画です。

1793年7月13日夕刻、
革命家ジャン=ポール・マラー暗殺事件発生。
画家ダヴィッドは暗い背景から浮かび上がるように
マラーの遺体を描きました。画中に暗殺者の姿はなく、
床に見える血の付いたナイフが
その存在をほのめかすばかり。
画家は事件のあらましを語るよりも、ただマラーの死を
敬うべき英雄の死として見せようとしたのでしょう。

木陰にたたずみ何かを読んでいる女性が一人。
コローは理想的な自然風景を得意とした画家です。
銀灰色とも言われる独特の色調により、
穏やかな中にも秘密の香りが漂う世界が
創りだされています。

ゴーギャン馴染みの食堂の一角。テーブルの上には、
バラが活けられたビンと
小さな丸彫りの彫像が置かれています。
この像はゴーギャンが、1887年にカリブ海の
マルティニック島を訪れた際に制作したもの。
くびれのある身体の線が、
異国情緒あふれる官能性を感じさせます。

青い空と海を背景にくつろぐ大勢の男女。
画家が実際に目にした、
ヴェネツィアのリド島で若者たちが
水遊びをする情景をもとに描かれました。
中央に立つ男性ほか、堂々と体を
太陽のもとにさらす姿もまぶしい一枚です。

不機嫌そのものといった表情の若い女性。
肘をついてそっぽを向いた姿勢にも
高ぶった感情が表れています。
よく見ると、彼女は黒い帽子を被り、
白いコートという装い。
出掛ける約束をすっぽかされてしまったのでしょうか。

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