昨日ブログに出した入選者の年齢別分布(記者発表資料より)から、読み取れること。
それは、
出品作品の過半数が50代以上の人による制作であるという事実です。
若干数字に違いはありますが、今回選外となった方々をふくめた、全出品者の年齢別分布をグラフにしたものも、ほぼ同じような年齢構成になっています。
山口県美術展覧会という公募展がはじまってから、今回が61回目を迎えます。その歴史の中で、県美展は、山口県の美術の発展とともに、さまざまな位置づけをされてきたように思います。
「県内若手作家の登竜門」という位置づけがされた時期もありました。しかし、現在のこの数字をみれば、県美展に出してくる作家の方々は、若手ばかりではないことがよくおわかりいただけるでしょう。出品している作家の側も若手向けの公募展とは考えていないはずです。
山口の県美展は、老若男女・県内外・経歴・実績を問わず、ジャンル・サイズの規格をもうけない、自由な作品発表の場としての公募展です。ですから、当然若い人だけに門戸を開いているわけではありません。
70歳以上の高齢者の方が大賞や優秀賞に輝く事は、多々あります。
では、お年寄りがたくさん出してくるから、この県美展には、若々しい感性に満ちあふれた作品が少ないかといえば、とんでもありません。
たとえば、今年優秀賞に輝き、現在開催中の「県美展出身作家4人展」の作家でもある山科君代さんは、とても若々しいパワーに満ちあふれた作品を発表されていますが、決してお若くはありません(といっていいのかしら?70代は、もはやお年寄りではないという見方もありますが…)。
実際、審査員が審査後に作者の年齢を聞いてびっくりすることがよくあります(審査中は、作者の年齢・性別等の情報は、審査員には知らせません)。若々しい感性は、実年齢とは関係ないのです。
一方で、熟年の深みをもった作品だってあってもいいはずで、そういう作品も入選しているのです。
要するに、この県美展、
アートに年齢はカンケーない
ということが数字的にもあらわれた公募展なんじゃないでしょうか?
オールド・パワー大歓迎!そして、ヤング・パワーの奮起にも期待したいです。
来年も、地域・年齢を問わず、多くの方々からのご出品をお待ちしております。