県美展ワークショップ報告、その2です。
「もじ~る。」に続き、2日の日曜日には「あじのひらき」を開催しました。講師はおなじみ、倉科勇三さんです。

「あじのひらき、ってことは、まずあじを描くの?」
と聞いていたのは、美術館の某スタッフです。
ちがうんですねえ・・・。
では、「あじのひらき」とは何だったのでしょう?

①まず自分の靴を持って、透明な袋(クリアポケット)をかぶせ、手首のところをテープでとめる!


②袋の上から形を「見たまま」なぞる!ひたすら描きこんで、透明な部分がなくなるように!


③真剣に!


④この人たち、何しちょるんじゃろうねえ・・・


⑤透明なところがなくなるまで描いたら、袋をはずす!


不自由な手がやっと開放されて、すっきりしました。
でもここからがクライマックスです。はさみで、透明袋を切り開きましょう。すると・・・


こんなひらきや、

こんなひらきができました。

「見たまま」描いたはずなのに、切り開いて平面にしたら、おかしな絵ができました。靴や手のかたちが分解されてしまったのです。こんな風に描いたつもりじゃなかったのに・・・。でも、なんだかおもしろくないですか?

私たちは絵を描く、というと、「写実的」に、「うまく」描かなきゃ、と思いがちです。でも、絵のおもしろさは必ずしもそこにばかりはありません。いろいろな表現、さまざまな「リアル」がある、と倉科さんはおっしゃっていました。

立体を平面に「開いた」のが、「あじのひらき」というわけ。立体から平面へ、一瞬で視点が変わる不思議な体験でした。楽しかったですよ。