この作品は、「写真」作品ですか?
会場にて
よく、こんな質問を受けます。
時々、返答にこまることがあります。

事務局側も、その制作技法や材質がわからないものが
あるからです。

一般的な公募展では、洋画・日本画・工芸・写真といったぐあいに材質・技法で、部門別に分かれていて、それぞれの部門で審査しますのでこの作品は「写真」であるとか言いやすいのですが、

山口の県美展では、どのジャンルに属するかわからないものがいっぱい出品されてきているのです。

こうした問い合わせに対応するためと、作品をお預かりする保安上の関係で、今年から出品者される方に、素材・技法についてご記入いただく欄を出品票にもうけました。しかし、それでもわからないことがあります。

たとえば、大賞作品である、下瀬信雄さん「サンタモニカ」は、「写真」として紹介されています。
デジタル写真を合成した「フォト・モンタージュ」という点では、写真作品といえます。
しかし、考えようによっては写真を使った「コンピューター・グラッフィック」でもあるわけです。
CG作品だと「デザイン」部門になるのでしょうか?
それともプリンターで出力しているのでプリント「版画」部門とでもなるのでしょうか?

こういった具合に、厳密に考えていくと、どのジャンルなのか、答えられなくなってきてしまいます。

現在の県美展では、洋画・日本画といった一般的な部門別という概念では割り切れない作品が増えてきているように思います。
ひょっとしたら、すでに「山口県美術展覧会」という一ジャンルが形成されつつあるのかもしれませんね。