8月11日の「山の日」制定を記念し、山岳風景画の展覧会を開催いたします。明治後期、西欧のリアリズムを吸収した画家たちの手によって風景画が成立する頃、ほとんど未知の世界だった日本アルプスの壮大な風景が登山家たちによって発見され始めました。画家の中には、実際に登山を行い、そこで目にする新たな風景美を画面に描き出そうと試みる者も現れました。彼らの多くは明治38年(1905)に創立された日本最初の山岳クラブ「日本山岳会」(創立当時の名称は山岳会)の会員でもありました。画家の他にも、島崎藤村、田山花袋、島木赤彦などの文学者、牧野富太郎、柳田国男、長谷川如是閑などの学者・文筆家が会に加わっています。「山」という対象の新しさ、豊かさ、美しさが当時の人々の心を躍らせていたからに違いありません。その後、大正から昭和前期にかけて、空前の「登山ブーム」が起こりました。また交通機関の発達によって、登山を目的としない人々も手軽に山岳風景に接することが可能となりました。旧来のリアリズムを超えようとする西欧の新しい美術動向に影響を受けた画家たちは、今までにない斬新な山岳風景の表現を試みていきます。本展では、明治から昭和前期にかけて「山」を描いた46人の画家の洋画、日本画、版画、水彩画など120点を紹介し、その表現の変遷をたどるとともに、山の魅力の原点を絵画の世界から振り返ります。
- シニアは70歳以上の方、( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。
- 18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料。
- 障害者手帳等をご持参の方とその介護の方1名は無料。
- 前売り券は、ローソンチケット(Lコード61835)、セブンチケットおよび県内各プレイガイドでお求めください。
[主催]山口県立美術館、朝日新聞社、yab山口朝日放送 [協力]公益社団法人 日本山岳会
[山口会場特別協力]山口県山岳連盟、エフエム山口
- 中村清太郎 「初夏の槍ヶ岳」 公益社団法人 日本山岳会蔵
- 大下藤次郎 「西山峠」 明治42年(1909) 島根県立石見美術館蔵
- 吉田博 「露営」 個人蔵
- 大久保作次郎 「山へ」 昭和15年(1940) 千葉県立美術館蔵
- 玉井敬泉 「白山図」 大正10年(1921) 石川県立美術館蔵
ゲスト
- 市毛良枝
- 俳優、特定非営利法人トレッキング協会理事/環境カウンセラー
- ゲキ
- イラストレーター、元祖女子山マンガ「でこでこてっぺん」(山と渓谷社)の著者
- [日時]6月19日(日) 14:00〜15:30 [会場]山口県立山口図書館 レクチャールーム
- [定員]200名(先着順、要申込、無料)
- [お申し込み] 「遥かなる山展トークショー参加希望」として、
①代表者氏名、②年齢、③住所、④電話番号、⑤参加人数を明記の上、
下記の申込フォーム、または往復はがきでお申し込みください。当館より折り返しご連絡いたします。
[日時]5月29日(日) 14:00〜 [講師]斎藤郁夫(山口県立美術館 副館長) [定員]80名(先着順、無料)
[日時]6月4日、11日、18日、25日(いずれも土曜日) 10:00〜(30分程度、申込不要)
- 「蛍の夕べ夜間コンサート」 山口県交響楽団による1日限定のアンサンブルコンサートを開催します。
[日時]5月28日(土) 18:30〜19:00(無料・申込不要) [場所]美術館ロビー - 「蛍の夕べギャラリートーク」 担当学芸員が見どころをわかりやすく解説します。
[日時]5月29日(日) 18:00〜19:00(要観覧券、開始5分前までに会場入口にお集まりください。)