山口県立美術館|山口県山口市

四季花鳥図

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狩野 松栄
《四季花鳥図》

  • 室町時代 16世紀
  • 紙本着色
画像:四季花鳥図

室町時代から桃山時代にかけ、狩野派のリーダーとして京都で活躍した、狩野松栄による四季花鳥図屏風です。
ゆったりとした山水図のなかに、画面の右から左へ、春の桜、夏の牡丹、秋のケイトウ、冬の椿と四季を代表する主役級の花を描き、季節の移り変わりを演出しています。周囲には、スミレやツツジ、ユリ、菊など、四季ごとに色とりどりの草花が咲きそろっています。また孔雀やインコ、セキレイ、雁など多彩な鳥が飛び交ったり、寛いだりしています。まさに花鳥の楽園と呼ぶにふさわしい作品です。本図が描かれたのは戦乱の世。過酷な時代を生きた武将や姫君たちが愛でたかもしれない美麗な屏風です。
松栄は桃山時代の巨匠・狩野永徳の父。豪快かつ繊細な画風で、時代を象徴する画家である息子に比べると、穏やかで優美な作風が特徴的です。このような松栄による彩色の花鳥図屏風は現存例が少なく、本図は重要な作品のひとつといえるでしょう。

作家プロフィール

狩野 松栄【かのう しょうえい】

生没年 1519~1592(永正16年~天正20年)

足利将軍家の御用絵師・狩野元信の三男。狩野宗家を継ぎ、京都を拠点に活動。天文22年(1553)父元信とともに石山本願寺の障壁画制作に参加。代表作に永禄6年(1563)大徳寺に寄進した《大涅槃図》、息子の永徳とともに制作した大徳寺聚光院の障壁画が知られます。父元信の画法に基づき、温雅さを加味した画風が特徴です。

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