蒙古襲来と運慶流

文永十一年(1274)と弘安四年(1281)の二度にわたる蒙古襲来(元寇)は、有史以来未曾有の国家危機として日本全体を揺るがしました。この蒙古襲来を契機に、歴史の歯車は大きく動いていきます。九州を中心とした西国では、異国退散祈願のための寺院が建立され、仏教美術に新風が吹きこまれました。仏像を制作したのは、運慶の流れをくむ「運慶流」の仏師たち。運慶が作り出した力強い迫力のある様式が、災いを退け平安をもたらす仏の姿として求められたのです。
この展覧会では、蒙古襲来から南北朝へと続く争乱と混迷の時代に、人々の祈りを託された「運慶流」の美を紹介いたします。

運慶之一流 ─初代から六代

「運慶流」とは、運慶(?〜1223)に始まる仏師一門のことです。息子湛慶、孫の康円、蒙古襲来を機に西国で活躍した湛康(四代)など、近年の研究によって明らかになってきた運慶流仏師の系譜を、運慶の父康慶から六代目康俊の世代まで、重要文化財10件(22体)をふくむ仏像28件(49体)によって紹介します。

運慶の謎をさぐる

仏師といえば運慶。誰もが知っている有名な仏師です。しかし運慶の作品は非常に数が少なく、その実態は謎に包まれた部分が多くあります。この展覧会では、運慶流仏師の作品を通して、運慶の謎もさぐっていきます。運慶作の仏像として、光得寺大日如来像が出品されます。

■展覧会

運慶流─鎌倉・南北朝の仏像と蒙古襲来

[日時] 2008年11月11日(火)〜12月21日(日)
[開館時間] 9:00〜17:00 (入館は16:30まで)
[休館日] 月曜日 (ただし11月24日は開館、翌25日休館)
◎夜間特別開館
11月21日(金)〜23日(日)は20:00まで開館 (入館は19:30まで)
[観覧料]一般 1000円(800円)/学生 800円(600円)
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金
※18歳以下、70歳以上および高等学校、中等教育学校、
 特別支援学校に在籍の方等は無料
※前売券はローソンチケット(Lコード: 61884)および
 県内各プレイガイドでお求めください。
[主催] 山口県立美術館/NHK山口放送局/読売新聞西部本社/KRY山口放送
[特別協力] エフエム山口